2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

婚姻

● 意義 男女が結婚すること,及びまさに結婚しているという性的結合状態(民法4編2章1節〜3節=731〜762条)。 ▲ 要件(1節1款) <実質的要件> △当事者の意思の合致 実質的意思が必要(742条1号反対解釈) 何を以って実質的意思というかは,婚姻のいろいろ…

婚姻外関係

民法は形式的に婚姻届を提出した男女の関係のみを保護しているが,婚姻届を出さない男女であっても,実質的に保護する必要のある場合もある。婚姻届を出さない男女の形態はいろいろあるが,代表的なのは婚約と内縁である。 ■ 婚約 ● 意義 :将来夫婦になるこ…

離婚

● 意義 婚姻関係の消滅(民法4編2章4節=763〜771条)。 種類 ・協議離婚(1款) :話し合いによる離婚(763条) 実質的意思は必要ではない⇔婚姻(最判昭38・11・28) ∵婚姻解消の実質=? 離婚意思は届出時に必要(最判昭34・8・7) 無効な離婚の追認・・・…

新株発行

●意義 ○通常の新株発行 :外部資金調達のための有償増資 ア 株主割当 イ 第三者割当 ウ 公募 ○特殊の新株発行 :通常の新株発行以外の新株発行 ex.株式分割 cf.http://www.nomura.co.jp/terms/sa-gyo/sinkabuhakko.html 概要 新株の発行は取締役会により決定…

強迫

●意義 害悪を告知し,恐怖心を抱かしめてさせる意思表示(民法96条1項)。 ▲要件 △強迫による意思表示 完全に意思の自由がない場合は意思表示自体当然無効(最判昭33・7・1) →96条適用の余地なし ◆効果 ◇取り消しうる(96条1項)

詐欺

●意義 人を欺いて錯誤に陥らせてさせる意思行為(民法96条)。 ▲要件 △欺罔行為による意思表示(96条1項) cf.◆詐欺取消の抗弁◆ ◆効果 ◇取り消しうる(96条1項) 第三者詐欺規定(96条2項) 善意の第三者には対抗できない(96条3項) ・「第三者」 :詐欺に…

錯誤

●意義 表示意思に対応する効果意思が存在せず,それを表意者自身が知らない状態(民法95条)。 ♪趣旨 ♪表意者の保護 種類 1)動機の錯誤 :「動機」と「効果意思」のリンクが不正 ex.豚肉入りのぶたまんを買おうと思ったが,豚エキスしか入っていない 2)内…

遺言

●意義 遺言者の死後の法律関係を定めるために,一定の方式によりなされる一方的かつ単独の人生最後の意思表示(民法5編7章=960〜1027条)。 概要 遺言は死後においても意思表示を認める法技術である。このため,他人によって改ざん等がなされても,遺言者は…

証明責任

● 意義 ある主要事実が真偽不明の場合に,その事実を要件とする法律効果が認められない一方当事者の不利益。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/JTWebHouka/JTHoukaYouken.html ♪趣旨 ♪裁判拒否の回避 概要 判決は裁判官の自由心証によって行われるのが原則…

●意義 権利義務の主体たるホモサピエンス(民法3〜32条の2)。 権利能力 ・○意義 :権利義務の主体となる資格 ・始期 ◎原則→出生(3条1項) ×例外↓ =胎児を生まれたものとみなす 1)損害賠償請求(721条) 2)相続(886条) 3)遺贈(965条) ?「みなす」…

一般的不法行為

●意義 不法に他人から権利・利益の侵害を受けた場合に,金銭賠償を請求する債権が発生する制度(民法709条〜)。 ♪趣旨 1 ♪被害者救済 2 ♪損害の公平な分担 3 ♪不法行為の抑止 ▲要件 <要件事実> 1 △故意・過失(709条) 故意と過失の区別の実益↓ 損害…

占有権

●意義 占有訴権によって保護される占有者の地位。 ♪趣旨 ♪事実状態の保護 ↑自力救済禁止の原則の反映 →本権取得機能 取得時効等 →本権公示機能 ▲要件 <取得> △(1)自己のためにする意思(心素,180条) ↑意思ではあるが権原の性質によって客観的に判断さ…

通謀虚偽表示

● 意義 相手方と通謀の上に行われた本当ではない意思表示(民法94条)。 ☆相手方のある単独行為にも類推適用がある(判例)。 ♪趣旨 ♪権利外観法理 ▲ 要件 △1:両当事者の通謀 この「通謀」の要件は権利外観法理に基づく94条2項類推適用の場面で多く緩和され…

設立

序 株式会社の設立は①実体の形成と②法人格の付与,という二つの要素からなる。 ②法人格の付与は,他の会社と同様準則主義により,一定の要件が満たされれば当然に法人格が与えられる。が,①実体の形成は非常に困難な手続である。定款を作り,社員は誰かを決…

経済的自由権

●意義 職業選択の自由,居住・移転の自由,財産権の総称。 職業選択の自由(22条1項) ・○意義 :自己が従事する職業を決定する自由 ⊃「営業の自由」 ∵これを保障しなければ,職業選択の自由も保障されない ・規制 ・「消極目的規制」 ↑自由国家的見地により…

当事者の意思による訴訟終了

●意義 当事者が、処分権主義に基づき、裁判によらずに訴訟を終了させること(261〜267条)。 種類 1)訴えの取り下げ 2)請求の放棄・認諾 3)訴訟上の和解 訴えの取り下げ ・○意義 :審判請求を撤回する旨の裁判所に対する意思表示 =「やめます」 ・△要件 …

当事者の訴訟行為

●意義 訴訟主体として、当事者が訴訟手続を発展させるために行う行為。 概要 訴訟行為は何も当事者だけに認められるものではなく、裁判所にとっても判決、訴訟指揮等において認められる。ただ、裁判所の訴訟行為は、それぞれの個所で問題になるのに対し、当…

口頭弁論

●意義 公開法廷において、直接口頭で弁論・証拠調べを行う審理方式。 原則 1)公開主義 :誰もが傍聴できなければならない →国民の司法への信頼+裁判の適正性確保(憲法82条1項) 2)当事者対等原則 :当事者双方に主張機会を平等に与えなければならない →…

行政調査

●意義 行政機関によって行われる,行政目的達成のために必要な情報の調査。 種類 ・任意調査 ⊃罰則を担保とする調査(間接的強制捜査) 従うことを強制しないが,従わなければ罰則 ・強制調査 ▲要件 <@任意調査> △相手方の任意性 →所持品検査 →自動車検問…

犯人蔵匿・証拠隠滅罪

♪法益 ♪司法作用の適正運用 @刑事裁判 犯人蔵匿罪(103条) △(1)罪を犯した者(客体) ・「罰金以上の・・・」 :法定刑 ・「罪を犯した者」 ?どのような者をいうか 犯罪の嫌疑に基づいて,捜査・訴追がされている者をいう。このように解しなければ司法…

偽証罪

●意義 法律により宣誓した証人が,虚偽の陳述をする罪(169〜171条)。 ♪法益 ♪審判作用の適正運用 @刑事裁判+民事裁判 ▲要件 △(1)宣誓した証人(主体) ∴真正身分犯 △(2)虚偽の陳述をすること(行為) ・「虚偽」 ?虚偽とはどういう意味か 証人自身…

公の営造物の設置・管理に基づく損害賠償責任

●意義 公の営造物の設置・管理に基づく損害についての国・公共団体の賠償責任(国家賠償法2条)。 概要 このような責任は本法制定以前にも,民法717条において認められていた。しかし,国家賠償法2条は,(1)「公の営造物」概念を採用し,「土地の工作物」…

憲法訴訟

●意義 憲法問題が争点となる訴訟。学問上の概念。 概要 かつて,人権保障は議会によってなされるのが最も民主主義に適うと考えられていた。選挙によって選ばれた代表者が,仮に人権を制限するとしても,それが適当でなければ再び選挙で選ばれることはないは…

刑罰

●意義 犯罪に対する法律上の効果として,行為者に対して科される法益剥奪処分(9〜21条)。 種類 <生命刑> ・死刑(11条) <自由刑> ・懲役(12条) ・禁錮(13条) ・拘留(16条) <財産刑> ・罰金・科料(15,17条) 完納できなければ→労役場留置(1…

地方自治

●意義 地域における政治・行政を,その地域の住民の意思にもとづいて,国から独立した地方公共団体が自主的に行う仕組み(92〜95条,地方自治法等)。 概要 多くの国々は地方自治の内容を法律で定める。これに対し,わが憲法は「地方自治」の章を設けてこれ…

訴訟物

●意義 審判の対象となる,訴訟上の請求。 概要 訴訟上の請求を“物”として特定する必要は,①裁判所にとって審判の対象を処分権主義(246条)のもとに決定すること,②被告にとって攻撃防御の主題を明確にして不意打ちを防止すること,の2点にある。 では,どの…

訴え提起

● 意義 裁判所に対して審理・判決を申し立てること(民事訴訟法2−1)。 種類 ・給付の訴え 現在の給付の訴え+将来の給付の訴え(135条) 請求認容判決には,既判力と執行力が生じる。 請求一部認容判決には,引換給付判決がある。 請求棄却判決には,既判力…