2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「財産引受」最判昭42・9・26

事実 タクシー業を営むXはAと一緒にY会社の設立を計画,その新会社に今Xが有している営業+営業車両+その他の設備の一切を引き継がせることにした。発起人総会でそのことが決議され,Xは譲渡人兼(Y会社の)譲受人となったが,定款には定めを入れなかった。…

正当防衛

●意義 構成要件には該当するが,違法性の阻却される緊急行為の中の防衛行為(刑法36条,「緊急は法を持たない」)。 ▲要件 1 △急迫不正の侵害 1) 急迫 ★「侵害の急迫性」最決昭52・7・21百選22 <事実> 中核派の学生らが集会を開こうとしていると,対立関…

再審

●意義 法定の再審事由がある場合に認められる例外的不服申し立て(民事訴訟法4編)。 ○再審事由(338条1項) 1 種類 1〜10号 2 制限 柱但 ♪趣旨 当事者が攻撃・防御を精一杯尽くし,その結果判決が確定したのであれば,その判決は自己責任の下に,当事者に…

再審

●意義 事実認定の不当を救済するためにもうけられた非常救済手続(刑事訴訟法4編)。 再審請求審の審理と,再審公判の審理があり,前者には再審の理由(435条)が必要であり,後者には利益再審(452条)しか認められない。 ♪趣旨 ♪誤判(無辜)救済 再審理由…

相続回復請求権

●意義 表見相続人に相続財産が帰属している場合,真正相続人がその返還を請求する権利(民法884条)。 ○表見相続人 :法律上の相続人ではないのに,相続財産を占有するニセ相続人 ⊃共同相続人? ★「884条半殺し」最大判昭53・12・20百選77 <事実> 被相続人…

取締役&取締役会

商法2編4章3節2款=254〜272条 ● 取締役 :株主総会によって選任され(254条1項),取締役会を構成する者。 株主に限ることはできない(254条2項) ×例外→譲渡制限会社 会社とは委任関係(254条3項→民法651条) →いつでも辞任できる 員数は3人以上(255条) …

正当行為

●意義 違法性阻却事由となる正当防衛・緊急避難以外の法令・業務・その他行為(35条)。 ○法令行為 ex.警察官による被疑者の逮捕(刑訴法199条),親権者の懲戒(民法822条) ○正当業務行為 ex.格闘技,取材活動 その他の正当行為 1 労働争議行為 労働者が…

当事者

検察官 公益の代表者として,訴訟遂行を任務とする公務員。 検事総長,自庁検事,検事長,検事,副検事に分かれる。 検察官=独人制の官庁:一人ひとりが独立して権限を有する 検察官に個性はない=検察官同一体の原則 法務大臣の指揮権 検察官は行政機関の…

相続分

●意義 共同相続人の分け前(民法5編3章2節=900〜905条)。 分ける割合(2分の1)をいう場合,分ける金額(2億円)をいう場合がある。 ○指定相続分 :被相続人の意思によって決定される相続分 ○法定相続分 :指定相続分がない場合に,法律の規定により決定さ…

因果関係

●意義 実行行為と結果との間に存在する関係。 判断方法 1 条件関係の存在 =「あれなければこれなし」 1) 因果関係の断絶 ≠中断 2) 合義務的な択一的挙動 処理方法=実行行為性がない 3) 択一的競合 A∪B =どっちかよくわからない 価値判断により条件公…

実行行為

●意義 特定の構成要件に該当する,法益侵害の現実的危険性を有する行為。 不作為犯 ●意義 1) ○真正不作為犯 2) ○不真正不作為犯 ▲要件@不真正不作為犯 1) △作為義務の存在 =法的な作為義務の存在→保障人的地位にあること 2) △作為の容易性・可能性 作…

中間確認の訴え

●意義 訴訟係属中に,訴訟物の権利に先立つ権利・法律関係の確認を求める訴え(145条)。 ♪趣旨 ♪先立つ権利・法律関係に既判力を認める ▲要件 複雑請求の一般的要件(136条)+ 1 △先立つ権利・法律関係である 2 △確認請求である もし,本来の請求が取り…

反訴

●意義 継続中の本訴の手続き内で,被告が原告を相手方として継続中の本訴との併合審理を求める訴え(146条)。 単純反訴と予備的反訴がある。 ▲要件 1 △本訴請求または防御方法との関連(146条1項) 1) 本訴請求 =両請求が内容・発生原因において法律上・…

訴えの変更

●意義 原告が訴訟係属中に請求の趣旨または原因を変更すること(143条)。 訴えの追加的変更,交換的変更がある。 ○訴えの追加的変更 :旧請求を維持しつつ,新請求を加えること ○訴えの交換的変更 :旧請求に代えて,新請求を提起すること =訴えの取り下げ…

訴えの客観的併合

●意義 ○狭義(固有の訴え客観的併合) :1人の原告が1人の被告に対して当初から1つの訴えで複数の請求をすること(136条) ○広義(請求の併合) :訴えの提起後に請求の併合をすること ・訴えの変更(143条) ・反訴(146条) ・中間確認の訴え(145条) ・…

法人格否認の法理

?問題点 ?根拠条文 ?適用場面の問題 ?▲要件 ?◆効果 ?商法266条の3との関係 ?破産との関係 ?訴訟法上の問題 ?法人格否認の法理の新展開 ●意義 会社と構成員たる個人を同視しえ,かつ相手方の保護を必要とする場合に,問題となっている法律関係に限っ…

相続人

● 意義 被相続人の財産上の地位を包括的に承継する者(民法5編2章=886〜895条)。 相続は被相続人の死亡により(882条),被相続人の住所地で(883条)開始する。 種類・順位 前提:胎児は,相続についてはすでに生まれたものとみなす(886条1項) 被相続人…

構成要件

●意義 処罰に値する違法・有責な行為の類型。 ○基本的構成要件 ↑↓ ○修正された構成要件 :未遂,共犯 ○閉じられた構成要件 ↑↓ ○開かれた構成要件 :適用にあたって裁判官の補充が予定されているもの ○記述的構成要件要素 ↑↓ ○規範的構成要件要素 :要価値判…

裁判所

●意義 ○国法上の裁判所 :①司法行政権を行使する機関たる官庁としての裁判所 :②補助機関たる関連職員を含めた単位である官署としての裁判所 ○訴訟法上の裁判所 :裁判官によって構成される裁判機関としての裁判所 ○裁判官 :裁判権の行使を担当する国家公務…

法律による行政の原則

● 意義 行政は国会が前もって定めた一般的基準に行われなければならない原則。 国民の権利が国家の権力濫用のために侵害されないという面における自由主義的意義と,福祉国家的見地から行政の活動が積極的かつ適正に行われなければならないという民主的責任…

工作物(⊃営造物)責任における瑕疵

?問題点 1?所有者の責任の性質 2?瑕疵とは何か 3?自然力と瑕疵の競合 4?第三者の行為と瑕疵の競合 5?予算上の制約と瑕疵 6?工作物責任と営造物責任の関係 1 所有者の責任の性質 (1) 工作物の占有者は717条1項但書によって,「必要なる注意を…

工作物責任

●意義 工作物の設置・保存の瑕疵によって損害が生じた場合,その工作物の占有者・所有者が負う賠償責任(民法717条1項)。 ○瑕疵 :主観的な過失を客観的に定型化したもの ○工作物 :¬⊃特別法(国家賠償法2条,自動車損害賠償保障法,原子力・・・) ♪趣旨 ♪…

違法収集証拠排除法則

●意義 証拠収集手続に違法があった場合,そこから得られた証拠を訴訟から排除するルール。 供述証拠については憲法38条2項,刑事訴訟法319条1項がある。 →排除法則は控除的に非供述証拠に対応 直接の根拠条文は,ない。 ★「排除法則をはじめて認めた判例」最…

共同被告人の証拠

序 共同被告人とは,別個の刑事事件が併合審理された場合のそれぞれの被告人のことをいう。併合審理自体は,証拠共通等のメリットがあるが,他方で,それぞれの被告人の利害が相反し,かえってデメリットとなることもある。ということで,併合審理は諸事情を…

自然的関連性

●意義 証拠と,証明しようとする事実との論理的関連性。 科学的捜査等において問題になる。 自白法則,伝聞法則などは法律的関連性。 関連性がなければ,証拠足り得ない。 =証拠能力は証明力の延長線上にある 具体例 ・前科による事実認定 ★「またかよと思…