不法行為法

使用者責任

● 意義 被用者が事業の執行につき第三者に加えた損害を,使用者が賠償する特別責任(民法715条)。 (使用者等の責任) 第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、…

愛は無償

■ 事例 NPO法人「梅雨の谷間の晴れ」(NPO法による認証取得済み)は,ネットバブルにより巨万の富を得たAが,ポケットマネーの50億円を投じ,廃れつつあるサーカス文化の復興と,子どもたちへ夢を与えることを目的として創立したサーカス団である。観覧料は…

製造物責任

● 意義 製造物の欠陥により生じた損害に対して製造業者等が負う特別責任(製造物責任法)。 =Product Liability ・製造物の特徴 ①大量生産大量消費 →些細な欠陥でも甚大な損害が ex.薬害 ②高度専門性 →要件事実の立証が困難 →法制定(平成6年)の契機 ▲ 要…

共同不法行為

●意義 共同して不法行為が行われ,損害発生者が不明な場合に,共同行為者らに損害全額の賠償を連帯して負わせる仕組み(民法719条)。 幇助・教唆(2項) ○狭義の共同不法行為 :共同者全員がいずれも損害の発生に関与している場合(719条1項前) ○加害者不…

自動車運行供用者責任

●意義 自動車事故の際,運行供用者が負う責任(自動車損害賠償保障法)。 =立証責任の転換(3条)←過失責任主義を採る民法の特則 ↑人身事故のみ(物損事故は民法による) 強制保険(5条) →損害賠償の実効性確保 ♪趣旨 1 ♪危険責任 危ないことやってるじゃ…

工作物(⊃営造物)責任における瑕疵

?問題点 1?所有者の責任の性質 2?瑕疵とは何か 3?自然力と瑕疵の競合 4?第三者の行為と瑕疵の競合 5?予算上の制約と瑕疵 6?工作物責任と営造物責任の関係 1 所有者の責任の性質 (1) 工作物の占有者は717条1項但書によって,「必要なる注意を…

工作物責任

●意義 工作物の設置・保存の瑕疵によって損害が生じた場合,その工作物の占有者・所有者が負う賠償責任(民法717条1項)。 ○瑕疵 :主観的な過失を客観的に定型化したもの ○工作物 :¬⊃特別法(国家賠償法2条,自動車損害賠償保障法,原子力・・・) ♪趣旨 ♪…

一般的不法行為

●意義 不法に他人から権利・利益の侵害を受けた場合に,金銭賠償を請求する債権が発生する制度(民法709条〜)。 ♪趣旨 1 ♪被害者救済 2 ♪損害の公平な分担 3 ♪不法行為の抑止 ▲要件 <要件事実> 1 △故意・過失(709条) 故意と過失の区別の実益↓ 損害…