占有権
- ●意義
占有訴権によって保護される占有者の地位。
- ♪趣旨
♪事実状態の保護
↑自力救済禁止の原則の反映
→本権取得機能
取得時効等
→本権公示機能
- ▲要件
<取得>
△(1)自己のためにする意思(心素,180条)
↑意思ではあるが権原の性質によって客観的に判断される
∵意思無能力者の占有権に資する
=占有取得の要件≠占有継続の要件
△(2)所持(体素,180条)
代理人(占有代理人)にさせてもよい=(占有者本人(≠代理占有者)の)代理占有(間接占有)
ただし,
1)占有代理人に本人のためにする意思があること
2)占有代理関係が存在すること
が加算要件
パシリ(占有補助者)にさせてもよい=(占有者本人(≠占有補助者)の)占有
この代理占有と占有補助者による占有の違いは,占有訴権が認められるか認められないかにつながっていきます。代理占有は代理であるにせよ,一応占有が認められるのに対して,占有補助者による占有は,あくまで本人の占有の補助が行われているに過ぎないのです。
<消滅>
△占有意思の放棄,所持の喪失(203条)
・代理占有の場合(204条)
- 類型
1)自主占有・他主占有
2)善意占有・悪意占有
3)過失ある占有・過失なき占有
4)瑕疵ある占有・瑕疵なき占有
- ◆効果
◇(1)現状保全効=占有訴権
:占有権に対する排除を請求しうる実体法上の権利
↑不法行為とは別の問題
占有ノ訴ハ本権ノ訴ト互ニ相妨クルコトナシ(202条1項)
占有訴権に対して本権の存在は抗弁とはできない(202条2項)
→占有は占有,本権は本権
1)占有保持の訴え(198条)
2)占有保全の訴え(199条)
3)占有回収の訴え(200条)
◇(2)本権取得効
・本権を取得させる効力
ex.取得時効,無主物先占
・本権を有するのと同じ効力
ex.果実集授権,費用償還請求権
◇(3)本権公示効
ex.本権推定(188条),