行政救済法

損失補償

● 意義 適法な公権力の行使によって生じた財産上の特別の犠牲に対してなされる財産的補償(憲法29条3項)。 →財産権保障+平等原則実現 ★「実体法上の根拠」最大判昭43・11・27百選172 <事実> 名取川の堤外民有地で砂利採取業を営む被告人は,昭和34年12月…

行政訴訟

● 意義 行政行為によって侵害された利益回復等のため,裁判所に申し立てる訴訟(行政事件訴訟法)。 種類 ○抗告訴訟(3条1項) :行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟 ・処分の取消訴訟(3条2項) :行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消を…

工作物(⊃営造物)責任における瑕疵

?問題点 1?所有者の責任の性質 2?瑕疵とは何か 3?自然力と瑕疵の競合 4?第三者の行為と瑕疵の競合 5?予算上の制約と瑕疵 6?工作物責任と営造物責任の関係 1 所有者の責任の性質 (1) 工作物の占有者は717条1項但書によって,「必要なる注意を…

公の営造物の設置・管理に基づく損害賠償責任

●意義 公の営造物の設置・管理に基づく損害についての国・公共団体の賠償責任(国家賠償法2条)。 概要 このような責任は本法制定以前にも,民法717条において認められていた。しかし,国家賠償法2条は,(1)「公の営造物」概念を採用し,「土地の工作物」…

公権力の行使に基づく賠償責任

● 意義 公務員が公権力の行使に際し,その職務について故意・過失によって違法に他人に損害を加えたときに,国または公共団体が負う損害賠償責任(国家賠償法1条,憲法17条)。 第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて…

当事者訴訟

●意義 下記2類型の訴訟(行政事件訴訟法4条,39〜41条) ○形式的当事者訴訟(4条前段) :本来行政庁を被告とすべき訴訟だが,例外的に直接当事者を被告とすべきとされる訴訟(行訴法の例外)。 ex.補償関係(著作権法72条2項等) ○実質的当事者訴訟(4条後…

争点訴訟

●意義 私法上の権利関係に関する訴訟だが,行政行為の有無がその争点となっている訴訟(行政事件訴訟法45条)。 ex.滞納処分(行政行為(争点))→公売→新所有者(被告) 基本的には民事訴訟だが,争点に関する限度において取り消し訴訟の規定が準用される。

差止訴訟

●意義 行政庁の処分・裁決の差し止めを求める訴訟(行政事件訴訟法3条7項)。 この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならな…

義務付け訴訟

●意義 行政庁の処分・裁決の義務付けを求める訴訟(行政事件訴訟法3条6項,37条の2・3)。 この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。 一 行政庁が一定の処分を…

不作為違法確認訴訟

●意義 法令に基づく申請に対する,行政庁の不作為の違法の確認を求める訴訟(行政事件訴訟法3条4項,37条)。 この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分又は裁決をすべきであるにかか…

無効確認訴訟

●意義 行政行為の無効確認を求める訴訟(行政事件訴訟法3条4項)。 この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。 ▲要件 △取消訴訟に対する補充性 できれば取消訴訟で △原告適格(36条) …

取消訴訟

● 意義 行政処分,もしくは裁決の取消を求める訴訟(行政事件訴訟法2章1節)。 ▲ 訴訟要件 △処分性の存在 →cf.行政行為 △原告適格(9・10条) 1) 法律上の利益を有すること(9条1項) ※裁判所の解釈指針(9条2項) :法令の趣旨+目的←(考慮)→利益の内容…

行政審判

●意義 通常の行政機関から独立した行政機関が行う,準司法的審判(学問概念)。 ex.公正取引委員会の審決 電波審議委員会の議決 ▲要件 △公開∩口頭審理の保証 ∵司法性 △証拠(手続に顕現した)による事実認定 ∵独立性 △ある程度の役割分担(「職能分離」) 裁…

行政不服審査

●意義 行政機関の違法・不当処分に対する行政機関による不服審査手続。 一般法=行政不服審査法 ♪趣旨 ♪簡易迅速性(∵¬司法裁判)(1条1項) ♪行政の適正性確保(1条1項) 種類 ・審査請求(5条,14条〜44条) 審査主体=上級行政庁等∴判断=「裁決」→処分庁…