2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

武力紛争法

戦争が違法となったため戦争法は理論上存在しえなくなったが,それでも戦争はなくならなかった。そこで,戦争による被害をできるだけ少なくするため,武力紛争法という名称の下に統制が行われるようになる。 ■ 適用範囲 人道上の見地から,侵略国にも被害国…

国際紛争の平和的解決

聖戦論・正戦論や無差別戦争観は一次大戦後あたりから徐々に怪しくなり,1928不戦条約が戦争違法観を定立した。さらに国際連盟がそれをおし進め,国際連合はついに武力行使全般を禁止し,国際紛争の平和的解決義務を定めるにいたった(国連憲章2条3項・6章)…

非国家主体

● 意義 国際法にかかわる国家ではない主体・プレイヤー。 国家を構成員とする国際組織と,企業やNGOなどのその他主体に分けられる。 国際組織 国家によって構成され,組織としての実体を備えるもの。国際機関ともいう。 条約法条約2条1項i号によれば政府間国…

国家責任

● 意義 国が国際法に違反したときに生じる責任。 基本的に,責任内容は違反した国際法に書いてあるが,ここではそれがない場合の一般的責任が問題。 これに関してILCの国際違法行為に対する国の責任に関する条文草案がある。 ▲ 要件 国際違反行為は,国家行…

条約

● 意義 国家または国際機関どうしが交わす成文の約束・合意。 http://homepage1.nifty.com/arai_kyo/intlaw/docs.htm 国際慣習法とならんで重要な国際法の法源。 協定・協約・規程・取極・憲章・宣言・議定書など呼び方はさまざまだが一緒。 共同声明は微妙…

人権

国家が領域内の人間をどのように統治しようともそれは自由であり,他国はこれに干渉してはならなかった(不干渉原則)。しかし,二次大戦のジェノサイドは,人権は国内問題ではなく国際問題であることを認識させる契機となり,国連を中心とした国際人権保障…

国籍

● 意義 国家の所属員としての法的資格。 国内管轄事項だが,各国がまったく恣意的に国籍を定めていいということではない。 ■ 国籍の取得 国籍は社会契約説≒自己決定権により自由に選択できる(国籍自由の原則)。 生来取得 血統主義と生地主義に分かれる。 …

領域

● 意義 国家主権が排他的・包括的に実現される場所的範囲。 領域取得の権原は,発見・先占・割譲・併合・征服・時効・添付(様式的権原論)。 現実的には,国際法は領域の決定根拠にはならず,行為規範になるにすぎない(外交交渉による解決がメイン)。 ■ …

国家

● 意義 国際法にかかわる受動的・能動的主体。 国家3要素説によれば領土・人民・政府,4要素説によればこれに外交能力を加える。 問題となるのは国連・EU・ASEAN,台湾,北朝鮮・ソマリアなどの国家性。 国際法上は多様な国家性の肯定のためミニマリスト的定…

あれとこれとは

■ 事例 プロ野球選手であるA(吉田)は,所属する球団との契約更改交渉のため,弁護士であるBに代理人交渉をお願いすることにし,Bと契約を交わし,契約書を作成,さらに別に委任状と「吉田」の印鑑を交付した。ところが,AはBのよくない評判を友人から聞き…