相続法

相続の承認・放棄

序 相続人が相続するかしないかを選択すること(民法5編4章)。 単純承認,限定承認,相続放棄がある。 単純承認(2節1款) ●意義 相続人が被相続人の権利義務を無条件・無制限に承継すること(920条) ・法定単純承認(921条) 限定承認(2節2款) ●意義 相…

遺産分割

● 意義 共同相続の場合に,共有に属している遺産(898条)を分割して,単独所有にすること(民法5編3章3節=906〜914条)。 基準=906条 (遺産の分割の基準) 第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身…

相続の効力

相続財産の包括承継 ◎原則 相続人は,被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(896条本文) ×例外 ただし,一身に専属したものはこの限りでない(896条但書) ・一身専属権 ex.民法111条・552条・653条 ×例外?→生命侵害に対する被相続人の慰謝料請…

相続回復請求権

●意義 表見相続人に相続財産が帰属している場合,真正相続人がその返還を請求する権利(民法884条)。 ○表見相続人 :法律上の相続人ではないのに,相続財産を占有するニセ相続人 ⊃共同相続人? ★「884条半殺し」最大判昭53・12・20百選77 <事実> 被相続人…

相続分

●意義 共同相続人の分け前(民法5編3章2節=900〜905条)。 分ける割合(2分の1)をいう場合,分ける金額(2億円)をいう場合がある。 ○指定相続分 :被相続人の意思によって決定される相続分 ○法定相続分 :指定相続分がない場合に,法律の規定により決定さ…

相続人

● 意義 被相続人の財産上の地位を包括的に承継する者(民法5編2章=886〜895条)。 相続は被相続人の死亡により(882条),被相続人の住所地で(883条)開始する。 種類・順位 前提:胎児は,相続についてはすでに生まれたものとみなす(886条1項) 被相続人…

遺言

●意義 遺言者の死後の法律関係を定めるために,一定の方式によりなされる一方的かつ単独の人生最後の意思表示(民法5編7章=960〜1027条)。 概要 遺言は死後においても意思表示を認める法技術である。このため,他人によって改ざん等がなされても,遺言者は…