当事者の訴訟行為
- ●意義
訴訟主体として、当事者が訴訟手続を発展させるために行う行為。
- 概要
訴訟行為は何も当事者だけに認められるものではなく、裁判所にとっても判決、訴訟指揮等において認められる。ただ、裁判所の訴訟行為は、それぞれの個所で問題になるのに対し、当事者の訴訟行為はいつ・どのような形で行われるかが予定できず、定型化できないので、このように独立して問題となる。そして、裁判所に対し、当事者は私人であるため、私法との関係でも問題が発生する。
- 種類
・取効的訴訟行為
:裁判所に対する行為
・与効的訴訟行為
:裁判を介さずに効果が生ずる行為
- 訴訟契約
・○意義
:当事者間の訴訟上の合意
ex.管轄の合意(11条)
- ?管轄の合意のように、明文規定がない場合でも訴訟契約は有効か
- 公益上の訴訟の円滑運営という面から導出される「任意訴訟禁止の原則」によれば、その効力は否定すべきであるように思える。しかし、これでは私的自治の原則を否定することになるため、妥当ではない。したがって、訴訟契約が当事者の公平を害さない場合、すなわち(1)範囲が処分権主義・弁論主義内であり、(2)内容が明確である場合においては有効と解する。
- ?有効であるならば即、訴訟法的効果が生じるのか
- 生じる。確かにこのような契約は私法上のものであるが、これに訴訟法的効果を認めないのは当事者の意思を迂遠にしか反映しえない。
・不起訴の合意
・訴え取り下げの合意
・不控訴の合意
・証拠契約
・自白契約