訴えの変更

  • ●意義

原告が訴訟係属中に請求の趣旨または原因を変更すること(143条)。
訴えの追加的変更,交換的変更がある。
○訴えの追加的変更
  :旧請求を維持しつつ,新請求を加えること
○訴えの交換的変更
  :旧請求に代えて,新請求を提起すること
  =訴えの取り下げ+訴えの追加的変更?

★「訴えの交換的変更の独自性」最判昭32・2・8百選40
<事実>
XはYに対する貸金債権の支払い請求訴訟の1審で勝訴。Yが控訴したが,そこで,Xは新たな請求原因である求償債権を追加したうえで,1審で認められた請求の主張を撤回する旨の陳述。結局,控訴審でもXの請求は認容されたが,Yは,本来的に控訴は1審判決に対する不服申し立てだから,本件の訴えは却下されるべきであると上告。
<判断>
貸金債権と求償債権は別異の存在であり,この変更を認めた原判決は破棄を免れない。
そもそも,訴えの変更とは旧訴の継続中に新訴を追加的に提起することをいうのであって,旧訴の訴訟係属を消滅しようとするならば,取り下げ・放棄が必要である。
本件は,これらを判断するに証拠がないから破棄差し戻す。

  • ▲要件

1 △請求の基礎に変更がない(143条1項)
  =裁判資料が利用できる∩請求が結論的社会的に共通する
    ↑被告保護のため∴被告が同意すれば不要
2 △口頭弁論が終結していない(143条1項)
3 △著しく訴訟手続を遅延させることにならないこと(143条1項但)
4 △請求の客観的併合の要件を満たしている(136条)
5 △相手方の同意@交換的変更