問題研究

基本的人権の私人間効力

基本的人権は,対国家との関係において効力を有し,私人間の関係にあっては,私的自治の原則のもと,適用がないと考えるのが通常である。それは,人権が,主に国家権力からの侵害を受け,保障が必要とされた沿革に起因する。しかし,資本主義社会の高度化に…

不動産賃貸借における貸主・借主・転借人の微妙な関係

土地・建物の賃貸借は,他の賃貸借と比べて高額であり,賃貸人にとっても,賃借人にとっても,大きな取引である。特に,賃借人にとっては,金の問題だけでなく,生活の問題がかかっている。家を借りるという契約をすることは,人生の中でも特に大きな法律行…

将来債権譲渡

?問題点 ?●将来債権譲渡とは ?将来債権譲渡の法的構成 ?▲有効要件 ?▲対抗要件 ?●集合債権譲渡担保 ●将来債権譲渡とは :将来発生する予定の債権の譲渡契約 将来:?=これから来ようとする時。未来。(広辞苑第5版) ・・・将来とは「不確実」である ∴…

法人格否認の法理

?問題点 ?根拠条文 ?適用場面の問題 ?▲要件 ?◆効果 ?商法266条の3との関係 ?破産との関係 ?訴訟法上の問題 ?法人格否認の法理の新展開 ●意義 会社と構成員たる個人を同視しえ,かつ相手方の保護を必要とする場合に,問題となっている法律関係に限っ…

工作物(⊃営造物)責任における瑕疵

?問題点 1?所有者の責任の性質 2?瑕疵とは何か 3?自然力と瑕疵の競合 4?第三者の行為と瑕疵の競合 5?予算上の制約と瑕疵 6?工作物責任と営造物責任の関係 1 所有者の責任の性質 (1) 工作物の占有者は717条1項但書によって,「必要なる注意を…