物権的請求権
● 意義
ある物に対する所有権に基づき,その物に対する妨害を排除・予防・返還などを請求する権利(民法206条+202条1項)。
- ♪趣旨
♪自力救済によらない物権の回復
- 種類
・物権的返還請求権
占有(≠担保権など)の返還請求
・物権的妨害排除請求権
・物権的妨害予防請求権
■ 内容
- ?物権的請求権は具体的に何を請求しうる権利なのか。
- 相手方に自律的な行為を請求しうる権利である。請求しうるのは相手方に対する我慢だけであるとの考えもあるが,そうすれば費用を請求者が負担することになり,妥当でない。
- ?であるとすれば,先んじて請求したものに対して過大な権利を与えてしまうことになる。事故や天災で物権侵害などが生じた場合でも,被請求者が費用負担者となれば妥当ではない場面も出るだろう。
- そのような場合には公平のために例外を認めても差し支えない。
■ 相手方
- ?物権的請求権の相手方は誰か。
- 現実に物権を侵害している者である。
- ?現実に物権を侵害している者が,行方不明であればどうなる。
- 第二義的な侵害者ということにならざるを得ないだろう。例えば,不動産なら登記名義人でもいいだろうし,動産なら旧所有者でもいいだろう。