消費者金融

  • ●意義

消費生活に必要な金銭を,消費者の貸し付ける取引(利息制限法,出資法貸金業規正法)。


  • 利息の制限

契約自由の原則にかんがみれば,利息を制限する必要もないように思える。が,金を貸す側と借りる側には,立場の強弱に差があるため,そうもいっていられない。
利息を制限する方法には効力の否定(利息制限法),刑罰(出資法)がある。


利息制限法
・利息の限度(1条)

第一条  金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。
   元本が十万円未満の場合          年二割
元本が十万円以上百万円未満の場合     年一割八分
元本が百万円以上の場合          年一割五分
2  債務者は、前項の超過部分を任意に支払つたときは、同項の規定にかかわらず、その返還を請求することができない。

   適用範囲=金銭消費貸借契約の利息のみ
   超過しない部分は有効
      ・超過部分を任意に支払ったら・・・
         元本に充当(最判昭和39・11・18)
         完済になれば不当利得返還請求ができる(最判昭和43・11・13)
   貸金業規正法43条1項のみなし弁済規定
      =グレーゾーン

第四十三条  貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(利息制限法 (昭和二十九年法律第百号)第三条 の規定により利息とみなされるものを含む。)の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払つた金銭の額が、同法第一条第一項 に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、当該超過部分の支払は、同項 の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。


出資法
・高金利の処罰(5条)

第五条  金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2  前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十九・二パーセント(二月二十九日を含む一年については年二十九・二八パーセントとし、一日当たりについては〇・〇八パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

   貸金業者が29.2%超の金利を課したら刑事罰


  • 契約の適正化

貸金業規正法
・目的(1条)

第一条  この法律は、貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体の適正な活動を促進することにより、その業務の適正な運営を確保し、もつて資金需要者等の利益の保護を図るとともに、国民経済の適切な運営に資することを目的とする。

・立法事実
   問題多いサラ金業者(商工ローン)の跋扈
貸金業者とは(2条)
   ¬⊃銀行(同条1項2号参照)
   登録(3条)が必要
      ↑無登録は禁止(11条)
         無登録業者がヤミ金融
・規制(3章)