養子
● 意義
養子縁組手続きにより,養親との間で嫡出子の身分を取得した者(民法4編3章2節=792条〜817条の11)。
普通養子と特別養子がある。
事実上の養子というのもある。
- ♪趣旨
♪親のいない子に養育者を(子のための養子法)
▲ 要件(1款)
△成年(792条)
⊃成年擬制(817条の4但書参照)
△年長者・尊属はだめ(793条)
△縁組意思(802条1号)
家庭裁判所の許可 @未成年者養子(夫婦共同縁組)
法定代理人の代諾 @15歳未満の養子(代諾縁組)
夫婦の意思 @夫婦共同縁組
△届出
婚姻規定の準用(799条)
■ 無効・取消(2款)
□他人の子を自分の嫡出子として育てる
↑実親子関係は発生しない
↑無効行為の転換もない(最判昭25・12・28)
◆ 効果(3款)
◇嫡出子になる(809条)
◇養親の血族と法的血族関係が発生
◇親権の養親への移転 @未成年養子(818条2項)
■ 離縁(4款)
○協議離縁(811条1項)
代諾離縁(811条2項〜5項)
○裁判離縁(814条)
≒裁判離婚
財産分与はなし。
■ 特別養子(5款)
実方血族との親族関係が終了する縁組を特別養子縁組という。
▲要件
△原則6歳未満(817条の5)
△夫婦共同縁組(817条の3)
△養親25歳以上(817条の4)
△実方父母の同意(817条の6)
虐待していれば不要(同条但書)
△家庭裁判所の審判(817条の2)
△要保護性(817条の7)
△試験監護(817条の8)
◆効果
◇普通養子規定の準用
◇実方親族との血族関係の終了(817条の9)
★最判平成7・7・14
子の血縁上の父は、戸籍上の父と子との間に親子関係が存在しないことの確認を求める訴えの利益を有するものと解されるところ、その子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合においては、原則として右訴えの利益は消滅するが、右審判に準再審の事由があると認められるときは、将来、子を認知することが可能になるのであるから、右の訴えの利益は失われないものと解するのが相当である。
戸籍上の記載 特別養子の戸籍上の記載は,その趣旨の手前,養子であることがわからないようにしなければならないが,養子であることが完全にわからないとなると,近親婚の危険もあり,また,養子自身が自分の出自を知る機会が失われることにもなる。この,双方の要求を満たすために,戸籍上の記載には特別の工夫が凝らされている。 まず,実方の血族と一緒の戸籍から,単身の戸籍にする。このとき,実方の血族とは「養子」の関係にあることを示し,あとからの確認に資するようにする。そして,養親の戸籍に入るときには,養親を養親とは書かずに「親」と書く。
■離縁
◎原則・・・認められない
×例外・・・817条の10第1項2項の要件