情報公開制度

● 意義

憲法上の知る権利の実現のため,行政情報の公開等について定めた制度。
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/

  • ♪趣旨

♪知る権利,およびそれにかかる国民主権への寄与。

  • 沿革

知る権利は抽象的な権利であるため,これを具体化するには法律の制定が必要となる(通説)。が,この法律の制定は遅々として進まなかったため,地方公共団体が先行して情報公開条例を制定する動きが相次いだ(82年〜)*1。国のレベルで制定が進んだ契機になったのは,90年代の行政改革の影響が大きい。「行政機関の保有する情報の公開等に関する法律(情報公開法)」は99年に可決され,01年に施行された。
この情報公開法の施行により,地方に先行されていた国の情報公開政策は逆にイニシアチブを握るようになり,条例の制定等を求めるようになった(38条)。

地方公共団体の措置)
第38条  地方公共団体は、第三条第二項において第二章から前章までの規定を適用しないこととされた処分、行政指導及び届出の手続について、この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

■ 情報公開法

  • 1条(目的)

この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。

最大の懸案だった「知る権利の明記」は見送られた。知る権利が抽象的な権利であり,法律の中に明記するには至らない,というのが主な理由である。その代わり,「国の説明責任」が明記され,条文解釈に斟酌されることとなった。
もっとも,知る権利の不記載に異論がないわけではなく,法案可決の際の衆参両議院の付帯決議において,この検討が要請されている。

*1:3月:山形県最上郡金山町。10月:神奈川県。12月:埼玉県。