債務譲渡

債権法

● 意義

債務の同一性に変更を加えずに、新債務者に債務を移転する契約。
明文規定はないが、判例・通説が肯認。
営業譲渡等に活用事例。
債務者の意思・債権者の利益への配慮が欠かせない。
　　　∵引受人の財務力

○ 免責的債務引受
  • ●意義

旧債務者が新債務者に債務を譲渡し、自らはその債務をまぬかれる場合

  • ▲要件

△債務の移転可能性
△債権者＋旧債務者＋新債務者＝3者の合意
　　　＠旧債務者不同意の場合
　　　　　　→債務は移転しない
　　　＠債権者不同意の場合
　　　　　　→債務は移転しない

  • ◆効果

◇債務の移転
　　　保証・物上保障は移転しない
◇旧債務者の関係脱退


○ 併存的債務引受
  • ●意義

旧債務者に加えて、新債務者が併存的に債務を引き受ける契約。

  • ▲要件

△債務の移転可能性
△債権者＋旧債務者＋新債務者＝3者の合意
　　　＠旧債務者不同意の場合
　　　　　　→債務は移転する（大判大15・3・25）
　　　＠債権者不同意の場合
　　　　　　→？

  • ◆効果

◇連帯債務関係の発生（最判昭41・12・20）

○ 履行引受
  • ●意義

債務者に変更がないが、第三者が債務の履行を引き受ける契約。
債務者と引受人の契約　←債権者は関与していない

  • ▲要件

△債務の移転可能性
　　　474条

  • ◆効果

◇引受人の、債務者に対する、履行義務発生


■ 契約上の地位の移転

  • ●意義

契約当事者の地位の移転。
直接の権利義務だけでなく、付随する権利義務も移転する。
債務引受の発展形。

  • ▲要件

△免責的債務引受の要件具備