物的証拠収集

  • ●意義

裁判官が判決を下す根拠となる資料の収集。

  • ▲要件

△令状主義
    一般令状の禁止←対象物等の「明示」が必要(憲法33*1,35条*2)→刑訴法219条
        適用法条の明示は不要(最大決昭33・7・29)。
        合理的解釈により,特定できればよい(最決昭30・11・22)。
        概括的すぎるとダメ(東京高判昭47・10・13)。
        ある程度の誤記(佐藤≠工藤)はしょうがない(最判昭27・2・21)。

令状
裁判官が出す,強制処分の裁判書。

△必要性(218条)
△令状の事前提示(222条1項→110条)
△(採尿・採血の場合)相当性(慣習)

  • 問題点

・対象物等の明示と実際の範囲の乖離

    • (令状)「本件に関係ありと思料される帳簿、メモ、書類等」

      →(実際)「マージャンパイ、計算棒」=OK(最判昭42・6・8)

    • (令状)「マンションの居室」

      →(実際)「同居人のボストンバック」=OK(最決平6・9・8)

    • (令状)「Aの居室」

      →(実際)「Aの裸」=NG(東京地八王子支決昭62・10・3)



・関連する「必要な処分(222条1項→111条1項前段)」の範囲
    「宅配便でーす」
        ↑ホントは捜査=OK(大阪高判平6・4・20)(ただし,やむをえない状況があること)

  • 特殊令状

・通信傍受令状(222条の2→通信傍受法)
    cf.http://www.geocities.co.jp/Milkyway/8332/what.html
・身体検査令状
・鑑定処分許可状

*1:第33条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を「明示」する令状によらなければ、逮捕されない。

*2:第35条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を「明示」する令状がなければ、侵されない。