酒豪女と息子と旦那

■ 事例

A女は酒癖が悪く、酒は好きだが、いったん飲みだすとブレーキが利かず、男に暴力を振るったり、ちょっかいを出すなどを繰り返してきた。このため、前夫との結婚は、息子Bが生まれたものの、うまくいかず、結局破綻し、離婚してしまった。
そんなA女にも、愛してくれるC男が現れ、つい最近結婚した。
が、新婚旅行で温泉旅館に家族3人で出かけたが、ちょっとしたことからC男と喧嘩となり、酒をあおり始めてしまった。
「もういい、おれは風呂に入る」
と、C男は旅館から離れた外の露天風呂に向かった。このため、A女は息子Bに愚痴を言いながら、やはり酒を飲んでいたが、C男への怒りは収まらず、息子Bに、
「B、C男を風呂に閉じ込めちゃって。あたしが男風呂に入ったら怪しまれるから」
と言った。C男が着ていった浴衣を、C男が風呂に入っている隙にとってこい、と言うのである。息子Bは今年で12歳、分別はつく年頃だが、こんなA女でもやはり母親である。浴衣を取ってくるくらいならそんなに問題にならないだろうと思い、OKの返事をし、露天風呂へ行き、浴衣をとって部屋へ戻ってきた。これにA女は満足し、酒の勢いもとまり、息子Bとともにすやすやと眠ってしまった。
一方、C男は、露天風呂から出ることができず、一晩そこで過ごしてしまったため、湯冷めのため肺炎になってしまった。
そして、A女はこの顛末を覚えていないという。


? 設問

  • A女と息子Bの罪責を論ぜよ。