秘密じゃないの?

  • 事例

ある会社の面接試験会場にて。
面接試験を受けたのは甲,面接官は乙である。
「どうして,わが社を選んでいただけたのですか?」
「はい。御社の・・・・・・です」
「でも,それはA社というライバル会社がありますが,そのような志望動機をお持ちでしたら,そちらのほうに行かれたほうがいいのではありませんか」
「そのようなことはありません。御社は・・・の点において優れています」
「具体的には?」
「具体的には・・・です」
「A社はどのようにだめなのですか?」
「それは,A社は〜〜(ピー=事実を摘示した名誉毀損的表現)〜〜だからです」
「(そんなにひどいことを言うとは)わかりました。結果については,後日お手紙を差し上げますので,それまでお待ちください」
後日,甲のもとに「ご縁がありませんでした」との手紙が届いた。
乙はこの面接の内容を甲の実名も含め,同業者の集まりである懇親会で大学の同級生だった同業他社の従業員数名に披露,それを介してこの話は業界の者全員が知ることとなった。このため,A社の代表取締役Bは甲を名誉毀損罪で最寄の警察署に告訴することにした。


  • 問題

1 Bは告訴をすることができるか。
2 甲,乙の罪責。