任意代理

  • ●意義

授権行為(⊃委任)により,代理人の意思表示が本人に帰属する制度(99〜118条)。
   ≠使者∵=単なる伝達者
   ≠代表∵=法人(本人)そのもの
   ≠問屋∵自己の名による意思表示≠顕名
      問屋と委託者の関係=単なる委任(最判昭31・10・12)
   ≠使用人(最判昭30・5・13)

  • ♪趣旨

♪私的自治の拡張

  • ▲要件

(成立)
△法律行為
△権限の授与
   ・ない場合
      →無権代理(113条)
         原則=本人に効果不帰属
               ex.取引停止処分を受けた者の名で手形振り出し(最判昭43・12・12)
            →(無権代理人は)本人としての履行or損害賠償責任(117条)
         例外=本人に効果帰属
            ・追認
               (相手方)追認催告権(114条)
                       →返事無し=追認拒絶とみなす(但書)
                    その間の取消権(115条)
            ・表見代理
   ・“権限の定め”がない場合
      →保存行為等しかできない(103条)
△本人のためにする意思→顕名(99条)
   ・ない場合
      →代理人に効果帰属(100条本文)
         ただし,相手方が本人のためにする意思を知っていたか,知ることができた場合は本人に効果帰属(但書)。
   ・ある場合
      →本人に効果帰属(◇効果)
         ただし,相手方が本人のためにする意思のないことを知っていたか,知ることができた場合には無効(93条但書類推適用)。


(終了)
△本人死亡(111条1項1号)
   ↑任意規定∴死亡後の財産管理委任=有効(最判昭31・6・1)
代理人死亡等(2号)
△委任の終了(111条2項)

  • ◆効果

◇本人への直接帰属(99条)

  • !ポイント

!悪意・有過失の相手方不保護(各条)
   <新設>109条但書←最判昭41・4・22
      第109条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。