手形要件
- ●意義
手形が有効に成立するための記載上の▲要件。
- 種類
・必要的記載事項=絶対必要,◇なければ無効。
・有益的記載事項=なくてもよいが,あれば◇有効。
合意管轄文句の記載(大判大10・3・15)
・無益的記載事項=あっても◇無効。
損害金を支払う旨の記載(大連判大14・5・20)
・有害的記載事項=あれば◇手形自体が無効。
- 趣旨
・取得者にとってのわかりやすさ→形式性+明確性
- ▲要件
△必要的記載事項(約手の場合(75条1項各号))*1
1.手形文句
「上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と引き換えにお支払いたします」
タイトルとして「約束手形」ではだめで,「支払文句」と一緒である必要。
2.手形金額とその支払約束文句
「壱百万円」「・・・お支払いたします」
金額の「確定性」と「無条件性」が必要。 条件=有害的記載事項。 文字>数字(6条1項),少ない金額>大きい金額(6条2項)。 漢数字=文字(最判昭61・7・10)。
3.満期(=支払期日=満期日)
「平成17年10月1日」
満期が振出日より前の記載があれば,無効(最判平9・9・27)(確定日払いの場合)。
4.支払地
「東京都新宿区」←最小独立行政区画(←推知さえできればよい(大連判大15・5・22))
「理想銀行新宿支店」=有益的記載事項
5.受取人名
「住友瑞穂」
振出人と受取人は同一でよい(大判大13・12・15)。
6.振出日・振出地
「平成16年11月22日」「千葉県千葉市中央区中央・・・」
実際の振出日と異なっても当然無効ではない(大判昭3・2・6)。 暦にない日が記載されていれば,無効(大判昭6・5・22)