訴訟条件

  • ●意義

刑事裁判の実体審理をするために必要な条件。
   =訴訟成立要件≠訴訟要件(∵≒判決要件)

  • 種類

・管轄(329条)
   事物管轄
      罰金等→簡易裁
      禁固以上→地裁


免訴(337条)>
   ・すでに確定判決を得ている(1号)
      ⊃略式命令(最判昭35・7・15)
      ⊃常習一罪の部分罪(最判昭43・3・29)

略式命令
書面審理による簡易刑事裁判で,その裁判による命令。

   ・刑の廃止(2号)
   ・大赦(3号)
   ・公訴時効完成(4号→250〜253条)
      犯罪行為⊃結果(「水俣病事件」最決昭63・2・29)


<公訴棄却by判決(338条)>
   ・裁判権無し(1号)
   ・340条違反(2号)
   ・再公訴提起(3号)
   ・手続違反(4号)
      親告罪
         親族相盗の告訴取消し→(訴因変更)→窃盗=OK(最決昭29・9・8)
         窃盗(非親告罪)で告訴→(告訴→訴因変更)→器物損壊(親告罪)=OK(東京地判昭58・9・30)


<公訴棄却by決定(339条)>
   ・起訴状に犯罪事実がない(2号)
   ・被告人の死亡等(4号)
   etc.

  • ◆効果

→条件を満たしていない場合
   ◇管轄違い判決(329条)
   ◇免訴(337条)
   ◇公訴棄却(338,339条)
→条件を満たしている場合
   ◇公判続行

  • cf.

問題  検察官は重過失傷害罪の訴因で地方裁判所に起訴したが、審理の結果、裁判所は過失傷害罪の心証を得た。しかし、過失傷害罪についての被害者からの告訴は得られていない。  この場合、裁判所のとるべき措置について検討しなさい。